「はぁ、はぁ、、、」

もうどのくらい走ったかな。
息切れがすごかった。

「愛菜ぁ、、、ありがと、、、」
「いいよ、当たり前じゃん。それより何があったの?」

その言葉を言った瞬間、まどかの目から涙がこぼれ落ちた。

「あのね、まどか、塾の宿題してたの。そしたら急に吉野さん達が、ガリ勉はいらない、出てけ、しね!って、私どうした
らいいのか分からなくて、、、」

どうして人はそんなくだらない事で人をいじめるの?
それもきっと、自分の埋め合わせ。
私も同じような目にあったことがある。
だからまどかの気持ちは痛いほどわかる。

「大丈夫だよ、私がまどかを守ってやる。」
「愛菜、、、あ、、りがとう」

「この事、ご両親に話そうか?」
「いいよ、心配かけたくないし」

まどかの笑顔はどこか悲しそうだった。
わかった、とだけ言い、そこでまどかと私は離れた。