橋に足をかけて、飛び立とうとした瞬間、私の体が誰かに包まれた。

「おい‼‼」

え、、、？
誰？どうして助けるの？
私が死ねば皆楽になれるのに。

「何やってんだよ！」

顔を向けると、いかにもヤンキーって感じの男が、私を抱えている。
ヤンキーは大嫌いなのに。
それに、どうしてヤンキーみたいなやつが私を助けるのよ。
涙が溢れそうになったが、私は平常心を保ってるフリをした。

「見ればわかるでしょ、死のうとしてたの。なのに、何で邪魔するのよ」
「お前、死ぬって言葉簡単に使うなよ！親御さんも、友達も、皆悲しむんだよ！」

悲しむ、、、？
いるわけないじゃん。
私が死んで、悲しむ人なんて1人もいない。

「私はしんでもだれも悲しまないよ。むしろ喜ぶの。だからお願い、離して！」
「ふざけんな！消えていい命なんて、一つもねぇんだよ！たとえ誰も悲しまなかったとしたって、俺が辛いんだよ！お前と約束しただろ！」
「は？約束？何それ」
「やっぱ覚えてねぇか、、、」

誰だかなんてわからない。
でも、
消えていい命なんて一つもないって、俺が辛いんだよって、うそでも言ってくれたことが、嬉しかった。

涙が止まらなかった。