「――で、尾行しようって?アニメイベントを断ってまでどこに行くんだろーね?」
~演出の都合上、ここからはプリンスサイドに視点を変えてお送りします~
「スゴ、めちゃめちゃオシャレしてるよ?」
僕達は今、初菜ちゃんの後をつけている。
所謂、尾行というやつだ。
「やはり着るものが違うと大分印象が・・・。あれはデートだ!!間違いない!!」
ビシッ!!
眼鏡を中指で押し上げて、翠兄が言い放つ。
「そいえば好きな人いるってゆってたしね」
僕が呟くと、灼兄のガンが飛んできた。
うわ・・・、露骨・・・。
灼兄は結局、尾行を優先。
うさ×オレのイベントを蹴ってまで、初菜ちゃんが気になるらしい。
「――にしても白兄は尾行慣れしてるよね。コワイよ」
人ゴミで僕らが彼女を見失っても、白兄だけはブレなかった。