追いかけっこをやめた二人が再び大人しく漫画を読み始める。
これでやっと――と、ページを捲ろうとした時、携帯が光った。

差出人――ゆゆちゃんからだ。

『あの子――宝城貴子ちゃんはね、白笑さんのファンらしいの』
貴子――・・・あぁ、トイレの『貴子様』か。
成程、そりゃイヤだよね・・・。
憧れの人が他の女子に会いに来るなんて。
でもそれで嫌われるのは仕方ないとはいえ、ちょっと悲しい。

私、まだほとんど友達作れてないよ・・・。
ゆゆちゃんとは仲良くなれたけど、他のクラスメイトとはちょっとしか話した事ないし、休み時間は白笑さんが来るから、他の子と話すヒマなんてないし――って別に白笑さんをけむたがってるとかそんなつもりは全然ないし感謝してるけど・・・。
でも女友達もほしいなって気持ちがあるのも事実だ。
このままじゃあ友達作りが困難になる事間違いなしだわ・・・!