私が戸惑っていると、彼の後ろから金髪の男子が顔を覗かせた。

「赤のリボンは一年生だね、何組の何ちゃん?」
穏やかな物腰は、まるで王子様のよう。
「1年2組、雛鳥初菜(ひなどりういな)、です・・・」
彼は優しく「そう」と頷くと、
「今の話、聞こえてましたか?」
まるで小さな子でも相手にするかのように、膝を曲げて目線を合わせてきた。
顔が近くて、ドキドキしてしまう。
「あの、えっと・・・」
「聞いてたんだろ!」
手首を掴んだままの彼が怒鳴って、私は「きゃあ」と小さく悲鳴を上げた。