「計算じゃないトコロがまた可愛くない・・・。思い通りにならないから気に入らない・・・」
「・・・・・・」

この人は・・・やっぱり黒い面を持っている。
優しい外面にそぐわぬ裏側――・・・。

貴子ちゃん・・・、この裏側ちゃんと知ってるの・・・?

「そして――・・・」
スッと白笑さんの手が伸びて、私の髪に触れる。

「キミも思い通りにならないものの一つ――・・・」

真っ直ぐに向けられた視線に貫かれそうなくらい、その目は冷たく綺麗で――・・・。

「――だから私も“気に入らない”――・・・ですか?」

強く見据えてそう問いかけると、彼はふっと表情を緩めて微笑んだ。