「彼女と会うのは初めてみたいだね」
沈黙を守っていた白兄が、ポツリ。

「お互い近くにいたのに気付かなかった。これはおそらく――・・・」

初菜ちゃんと女の子は楽しそうに話しながら、アニマート隣のビルへと入っていく・・・。
看板に目をやると、白兄の言わんとしていたことがわかってきた。

「――あ。今月のアニマートカフェ・・・Jだ」

灼兄のそれが決定打。

初菜ちゃんは期間限定で開かれているアニマートカフェに行くのに、ネットで同行者を募集した、あるいは自分が応募したのだろう。

ちなみにこのアニマートカフェというのは、期間ごとに色々なアニメとコラボして、そのアニメにちなんだメニューを出したり限定グッズを売ってたりするカフェである。
ただのカフェと違うのは、大人気過ぎて抽選で当たらなければ入れないという難点がある。