数日 後、、、

俺の携帯電話が 鳴った。




「はい」



電話の相手は 意外にも、由紀。



「この前は  すまないな」


「いいよ、それより
あれから、どうしてた?」



「ああ、寝てた…」



「そう…」



「…うん」




沈黙。




耳の奥で 響く、由紀の声が 少し、鈍る。



「啓太…?」



「何?」



「彼女、出来た?」



「…結婚 したよ、 俺」



「そう…」



由紀、俺

一緒に 育った
施設の幼なじみと、結婚したんだ よ。


結婚したけど、別れて…。



幼なじみ は。

柚 衣は……。





「結婚したん…だ」


なんだか、 哀しそうな 由紀の声。


「どうした…?」



「…うん、何でもない」




「別 …れたけどね、」



「別れちゃった…んだ」



「 ……」




罪 だよな、 運命という奴は。

好きな、 柚 衣【おんな】 がいるの に



行き付けの、居酒屋では 偶然 、
元カノ の 由紀に 遇ってしまった。




ずっと、妹の様に 思ってきた  柚 衣…。

別れたばかりの、由紀を 吹っ切るためにも
柚 衣と 付き合い始めたころ は

まだ、由紀だけを  視てい たはずだっ た。




これが、神の悪戯というやつ だ。