毎日、毎日 写真の柚 衣【ゆい】 に
語りかける、俺がいる。
離婚 直後は、会話なんて
一言も、失くなっていたのに。
「 今日は、会社の残業で すっか、り
遅くなって、しまったよ 」
写真は 笑ったま…ま。
「柚 衣、 抱きしめていい?
なきたいな …ら
泣いていいんだよ ?」
シ、ンと 辺りが 音を たてる。
俺は、フォトフレームを
少し、強く、両腕で 、抱きしめた。
こうすると、替わりに 俺が
怜から、ハグを 受けているような
錯覚を、 覚える。
柚 衣が 生存していた ころには
俺が 柚 衣を 抱きしめる側 だった のに。
い…つから
そうなったのだろ う
…………………… ……… 。