何も、しなくても、ふぃに、視える。


だから

俺の中で……。
いつも、柚 衣は  生きている。



「啓!」


俺を  呼んでいるんだ。




その日の、感情を
俺は  すべて、想い出す。


、催眠術にでも
操られてるかのように 。







回想。



結婚して間もない時期【ころ】
柚 衣が 俺を みている。


「啓、今日は、 天婦羅だよ」




あ… の 部屋の構造。

柚 衣の笑顔が 映る。


天婦羅は、 食べたくない
気分だった な…。




けど、仕事から 帰って来てまで
飯を 作ってくれる、 柚 衣には

言えなかっ た…。



サツマイモと、ピーマンと
しめじの…。入った、かき揚げと。


大根おろ し。



…… 想えば
俺は  柚 衣を 泣かしてばかりだった。


仕事の 忙しさ を
理由に 逃げるより……。


もっと、 柚 衣を
大切にするべきだったんだ。