それから、啓【けい】 と、私は
結婚費用が なく、 籍だけを 入れた。


今のところは、 啓が 働いて
私が 家事をする状態。


一見、どこにでもある光景。




…だけど、

他所【よそ】 の家庭には
必ず、赤ちゃんが

当たり前のように いて…。


それを 視る、度に
私の瞳は 潤んでい く。



「 柚 衣、 ま…た

泣いてるの …か」



と、啓。




「ぅぅん…。めに、ゴミが !」


と、私。



いつしか、私は

啓の前では、思いきり 強がりを
見せるように なっていて……。