またズキッと心が痛んだ
「……健」
「泣いてなんかっ……ない…」
「…ん」

健と初めて無言で食事をした


食事が済み、食休みをしているとき、健は呟くように話し出した

「前に椿ん家来た時は、緒はいたな」
「…うん、いたね」
「俺の誕生日だからって、3人でケーキ食べたな」


「…うん、そうだね」
「それももう、1ヶ月前か。……懐かしいな」
「時間は…止まることなく流れ続けるものだよ」

「よく、椿ん家で緒含めて3人で椿の母さんのふわとろオムライス食べたり、春には3人で月見団子作って月見して、夏なら3人で花火やったり、秋は3人で受験勉強して、同じ高校行こうなって…。でも緒は勉強嫌いだったから、一人だけ置いていかれないように精一杯頑張ってた。冬は3人ですき焼き食べたり、雪なんかが降った日は鍋パしたり、そんで受験があって……緒が俺らにお守り作ってくれたんだよな…。3人で合格しようってさ………。でも、緒はテスト前に緊張と貧血が原因でぶっ倒れて……保健室でテスト受けたんだよな。結果は、3人共見事に合格。緒……嬉しすぎてその日、寝られなくて……。合格した次の日、高熱出して………。受かったら次の日、3人で近くの神社行って、高校になってからに向けての学業守り買おうって約束してたのにな……。結局、俺と椿の2人で神社行って、緒の分のお守りも買って帰ったっけ………。3人共同じクラスだった事には正直驚きが隠せなかったよ。」

色々な思い出を振り返った気がした

「うん…」
「あの頃に戻りたい…」
健は頭を抱え込んだ
「僕もだよ」
「椿…」
「…ん?」

「もう俺、消えてなくなりたい」
「…なんで」

「きっと…」
「うん?」

「それくらい……緒が好きだったんだ…」