これが
あたしとまーの出会い。
彼が消えた方をみていると
「なーんだ。可愛い系か。
かっこいい系の顔なら良かったのに」
横から聞こえる残念そうな声。
もちろん朝美からのもので…
今回の転校生もハズレか。
なんて言ってる朝美は放って置いて
あたしは彼のあの笑顔を思い出していた。
朝会の始まりを知らせるチャイムが鳴り我に返った。
2人して全力で階段を駆け上り、
やっとの事で着いた久々の教室。
そこにはみんなが揃っている中
空席が3つ。
急いで自分の席につく。
先生にすごい目で睨まれた時点で
始業式が終わった後の事が
安易に予想できた。
そう思っていたのは
朝美も同じだったらしく、
あたしが朝美の席に目を向けると
朝美もあたしを見ていた。
そして2人顔を見合わせ
舌を出した。
それからは淡々と朝会は進められ。
廊下に並んで
体育館へと向かう。
みんなは転校生がどんな子なのかと
期待しながら向かって行く中、
朝美はテンション下がりまくり。
あたしはなんだかよく分からない
気持ちを持ちながら向かっていた。