大樹先輩はあたしの心臓をどうしようとしてるのか…!!
そんなこと考えてたら
「横橋は…恋できそうか??」
やっぱりあたしも聞かれるのか…!!
「あたしは…まだ全然わからないです。なんか好きってどんな気持ちだったのかすら忘れちゃってる感じで…」
そう、いまだに恋がよくわからない。
恋してる人が羨ましいとも特に思わないしね。
それに好きな人がまた遠くに行っちゃうなんてもうやだし…
「まだダメか」
先輩…そんな心配しなくてもあたし大丈夫なのにな。
「あたしは大丈夫ですよっ」
そう言ってあたしは先輩に笑顔をむけた。
そしたら先輩も「そうか」ってあたしに優しい笑顔を向けてくれた。
先輩の笑顔を見てなぜかあたしは胸がギュッと締め付けられるようなそんな気持ちになった。
先輩ってほんとに優しいなってここ数日ですごく実感したな。
だって…先輩あたしを家まで送ってくれたんだもん。他にもいっぱいあるけどね。
今までじゃ先輩がこんなことしてくれるなんて考えもしなかった。
性悪イケメン先輩って呼んでたあの頃はなんだったのか…
「じゃあな」
「先輩送ってくれてありがとうございました!」
先輩の恋が叶いますように。
あたしはそう思いながら先輩が見えなくなるまで見送った。