その日から数日

俺は親父の希望通り
家をでる事にした

しかも
粗大ごみの収集日にね。

粗大ごみ扱いされた人間の
新たな出発には
もってこいのチョイスだったと、我ながら思う。

だが、そんな出発に
家族の見送りはなかった

母親さえも自室から出て来なかった。

俺のこの家で過ごした時間は

なんだったんだろう。


そう、俺は少ない荷物と揺られながら、新居にむかうトラックの中で考えていた。