「奏多さん」

「颯人…2日ぶりだね」

「そう…ですね」

今日だけ特別に外出許可をもらったという
颯人は、複雑そうな顔をしていた

「奏多さん…」

「新汰…それに光輝も…来てたんだね」

「はい…玲央さんの顔見れるのは…今日で最後ですから…」

「…っ!」

最後…
玲央の顔を見れるのは

今日で最後なんだ…

「玲央…お別れだね…」

本当はお別れなんてしたくない
だけど…しなければならない


そして…玲央のお葬式が始まった

みんな泣いていた
僕も、やはり堪えきれず

泣いてしまった

今日くらい、玲央の前では
いつもの僕でいたかったのに…

やっぱり…無理だよ…

写真にうつる玲央の笑顔に
僕の胸は締め付けられた


棺桶の中に入っている玲央の顔は
やっぱりいつもと変わらなかった

でも、少しだけ
笑っていた気がした

玲央が安心して旅立てるように
僕が送り出してあげなきゃ

僕は、玲央の頬に手を伸ばし
そして、伝えた

僕の気持ちを