玲央のお葬式の日は
明後日、12月29日に決まった

本当の本当に最後…


「奏多さん…」

「…颯人…どうしたの?」

「…ゆっくり休んで下さいね…」

颯人は優しいね…
自分より僕のことを考えてくれてるなんて

「うん…ありがと…颯人もゆっくり休むんだよ?」

「はい…分かりました。じゃあ…また…」

「うん…じゃあね」

僕は颯人と別れたあと
家に向かって歩いた


「…こんな時でも…星はキレイだな…」

夜空に光る星は
すごくキレイだった

玲央が見たら喜ぶだろうな…
見せてあげたかったな…


「…もう叶わないんだね…」

神様はいじわるだ…
どうして僕の願いを叶えてくれないんですか?

どうして僕から
玲央を奪ってしまったんですか…


「玲央がいない世界なんて…楽しくない…いる意味なんてないよ…」

玲央がいたから
僕は笑って生きてこれたんだ

「やっと見つけたのに…あんなに僕のことを考えてくれる人は…いないよ…」

いつも僕のことを一番に考えてくれた玲央
僕にとって玲央は…

かけがえのない存在だったんだ…