奏多side


「みんな…ありがとな…」

その言葉を最後に
玲央は息を引き取った

僕の頬に触れていた手は
力なく落ちていった

「ねぇ…!玲央…!起きてよ!ねぇ!玲央!!」

どんなに呼んでも
玲央からの返事はない

もう…玲央はこの世にいないんだ…
もう…玲央の笑顔は見れないんだ…

「…玲央…っ…!!」

僕はひたすら泣いた
泣くことしか出来なかった

玲央…君は
幸せでしたか?

僕は君を笑顔にしてあげれましたか?
君の心を癒すことが出来ましたか?

僕は君の光になれましたか?

君を幸せにしてあげることが
出来ましたか?


少なくとも僕は…
幸せでした…

玲央と生きれて
とても幸せでした…