「奏多…今日は本当にありがとな…俺…すげぇ楽しかった…こんなに最高な誕生日は初めてだよ。それも全部…奏多のおかげ…本当にありがとう…」

「…僕の方こそ…ありがとね…僕…嬉しいよ。玲央が喜んでくれて。楽しんでくれて。玲央の笑顔が見れて…本当によかった…」

「…っ!奏多っ…!」

「最初で最後なんて…僕嫌だよ…!また来たいよ…!玲央と一緒にもっといっぱい思い出作りたいよ…!!」

奏多の声は震えていた
体も震えていて、きっと俺が死ぬのが
怖いんだと…そう思った

「…俺も…もっと奏多と一緒にいたかった…もっとたくさん思い出作りたかった…」

「…玲央っ…!」

「もっと…奏多の笑顔が見たかった…!そばにいたかった…!もっと…奏多と…生きたかった…!!」

「…っく…!玲央…!嫌だよ…死なないで…!」

俺だって死にたくないさ…
だけど、俺にはもう…時間がない

「最初で最後の遊園地…楽しかったよ…動物園も…最高の思い出を…ありがとう…!」

「…うん…!僕の方こそ…ありがとう…!!」


俺たちは観覧車の中で泣き叫んだ
今日のことを忘れないように

俺たちがここにいた事を
確かめ合うように

ただひたすら泣いた――――