いつの間にか外は
すっかり暗くなっていた

「もう…こんな時間か…」

「そーだな…あっという間だったな…」

何か…さみしいな…
楽しい時間はあっという間に過ぎてしまう…

もう少し…奏多と一緒にいたかったな

「…玲央。最後に…観覧車乗ろ?」

「観覧車?」

「うん…観覧車乗って…それから帰ろ?」

「分かった。じゃあ、行くか」

これで本当に最後
観覧車に乗って降りてきてしまったら

もう…終わり…

俺たちは今日の思い出を噛みしめながら
観覧車に向かって歩き始めた


「やっぱり…すごい列だね」

「観覧車って定番だもんな」

俺たちの番はまだまだ来る気配はない
あとどれくらい待つのだろうか

「それにしても、でかいな…この観覧車」

「ここの観覧車、結構有名なんだよ?」

「そーなのか?」

「うん。この観覧車がてっぺんに来た時…そこで願い事をすれば、その願い事が叶うんだって。本当かどうか分かんないけど…」

「願い事か…」

本当に叶ってくれると
嬉しいんだがな…

そんな甘くねぇよな、現実は

もし俺の願いが叶うなら…
これからも奏多のそばで笑っていたいです

神様…あなたはこの願いを
叶えてくれますか?