「ここの精神科に通ってるの?」

「…はい。学校の先生からの紹介で」

「そっか…学校には行ってるの?」

「はい、一応…。保健室登校ですけどね…」

「それでもちゃんと学校に行ってるんだからすごいよ」

僕は途中から行かなくなったもんな…
高校だって…行ってないし

受験もしてない

「やっぱり…僕と光輝くんは似てる」

「え…?」

「僕もね、ここの精神科に通ってたんだ。中学生の頃」

「そうなんですか…?」

「うん…学校でいじめにあっててね…」

「…いじめ…ですか…」

あの頃の僕は
いつも死ぬ事ばかり考えてたな…

「毎日、学校で暴言を吐かれたり…暴力奮われたりね…」

「…そんな…ひどい…」

「僕…1回死にかけたんだ…学校の屋上から飛び降りて…」

「っ?!」

光輝くんは驚いていた
そりゃ、驚くよね…

「もう辛くてさ…生きてる意味が分からなくなって…死のうって思った…だから飛び降りたんだ…」

これで楽になれると心の底から思った
だけど、僕は生きてた

「でも、僕は今ここにいる…生きてる…そして気づいたんだ…僕がいなくなったら悲しむ人がいるって事に…」

玲央にもいつだか同じことを言った
玲央も僕がいなくなったら悲しいと言ってくれた

「だから、僕…生きようって思った」

「奏多さん…」

「だから、光輝くん…君も一緒に生きよう?僕と一緒に頑張ろう?」

「…………」

今死んだらきっと後悔する
光輝くんにはまだ生きてほしい

「…分かり…ました…頑張ります」

「本当?!じゃあ、約束ね?」

「はい…!」

この時初めて、光輝くんは笑った
光輝くんの笑顔はとても輝いて見えた