玲央の病室に向かっていた僕は
とある少年を見かけた

その少年の足はふらついていて
屋上へと向かっていた

もしかして、死ぬつもりなんじゃ…
そう思い僕はその少年に声をかけた

「ねぇ!君!」

「………」

僕の呼びかけに少年は振り向いた
少年の顔はひどく…やつれていた

その顔はいつかの自分にそっくりで
ほっとけなくなった

「…何かあったの?大丈夫?」

「…………」

「僕でよければ話聞くよ?」

「…え?」

もしかして、この少年は
僕と似ているのかもしれない

僕の思い違いかもしれないけど
何となくそんな気がした

「…見ず知らずの僕の話を…聞いてくれるんですか…?」

「うん、僕でよければ…僕と君は何となく似てる気がするから…」

「…ありがとう…ございます…」

そして僕と少年は
屋上へと向かった