奏多と再会して
俺は嬉しかった

またこうして毎日見舞いに
来てくれる奏多

それがすごく嬉しかった

「なぁ、奏多」

「ん?」

「あの時、何で俺とまた会ってくれたんだ?」

ずっと気になっていたこと
奏多にひどい事を言った俺に
なぜまた会いに来てくれたのか

「颯人から聞いたんだ…僕がいない間の玲央の事…」

「颯人か…あいつ何か変な事言ったりしてねぇよな?」

あいつなら言いかねない…

「玲央が寂しがってるとかしか言ってなかったよ?あ、それとも何か言われたら困るような事でもあるの?」

「いや、それはねぇけど…」

奏多の顔は笑っていたが
目は笑っていなかった

すごーく、黒い笑みをしてたんだよ
奏多…怖いっす

「まぁ、颯人からいろいろ玲央の思い聞いて、また会いたいって思ったんだ。だからかな」

「そーゆう事か…俺もう会えないかと思ってたからさ、すげぇ嬉しかった」

「僕だって…まさか会いたがってるなんて思ってなかったよ」

そりゃそーだよな…
俺から会いたくないって言ったんだもんな…

「本当ごめんな…あの時…」

「もういいよ、気にしなくて。玲央の本心じゃなかったんでしょ?仕方ないよ」

「…お前は本当…優しいな」

こんな優しい奴を俺は傷つけたのか
そして、失いかけたのか

バカな事したな、俺は

「体調は?大丈夫なの?」

「あぁ。最近は落ち着いてるよ」

「そっか…よかった…ずっと心配してたんだ…その言葉が聞けて安心したよ」

会えない間も、こんな俺の事を心配してくれてたんだな…お前は

「ありがとう…奏多」

「僕こそ、ありがとう…生きててくれて」


俺はまだ生きている
もう残り少ない命だけど

俺はまだ生きているんだ
命つきるまであとどれくらいなのだろう

あとどれだけ、奏多と話せるのか
あとどれだけ、奏多の笑顔が見れるのか

あとどれだけ、生きれるのか…

ここに命がある限り
俺は生き続けるから――――