「だから俺言ったんです。奏多さんは間違ってないって。あの時止めてなかったら玲央さんの笑顔は見れなかった…と」

「………」

「そしたら、我に返ったみたいで…。最後にお礼言われて…それっきりです…」

だからあの時…俺の笑顔が見たいって言ったのか…

気づくのが遅すぎたな…俺
何やってんだよ…本当に

「玲央さんだって、奏多さんに感謝してるんでしょ?」

「…もちろん。奏多には感謝してるよ」

「それ、ちゃんと伝えましたか?」

「えっ?」

「奏多さんに生きる希望を教えてもらったんでしょ?笑顔にしてもらったんでしょ?奏多さんは玲央さんにとって命の恩人でしょ?」

「…っ!」

「一緒にいられる事が当たり前じゃないんですよ?!離れてしまえばもう…終わりです…1人になってしまえば…そこからはもう孤独でしかありません…その辛さを俺は知ってるから…」

「…っ!!」

そう語る颯人の目には涙が浮かんでいた
颯人はずっと孤独だったのだ

親も友達も親戚もいない
ずっと1人で生きてきたのだ

「…玲央さんや奏多さんには…俺と同じ思いをしてほしくないんです…」

「…っ?!」

颯人の目から涙がこぼれた

「…ありがとな、颯人。お前のおかげでスッキリした。」

「…こんな俺でも人を助けれたんですね…」

「お前にはもう十分助けてもらってるよ。感謝してる」

「それならよかったです。早く仲直りして下さいね?」

「分かった。俺に任せろ」

颯人の言葉に背中をおされた俺に
もう迷いはなかった


もう1度君に会うために…