「さようなら…玲央…」

あの時奏多が言った言葉
それが最後…

あれ以来…奏多はここに来ていない
あの時の俺はどうかしていて

八つ当たりしてしまったんだ…奏多に
何やってんだろ…俺…

そう後悔してももう遅い

あの時…奏多は泣いていた
そーいや、奏多の笑顔…全然見てない…

「自業自得か…」

誰もいない病室で1人
寂しく呟いた

「…もう一度俺の笑顔が見たい…か…」

奏多は俺の事…ちゃんと考えてくれてたんだな
それなのに俺は…

あいつのその思いを踏みにじった…

「最低だな…俺…」

あいつはちゃんと約束を守ってくれていた
俺がもう来なくていいと言った時も

約束したからって…
本当…優しいな…お前は

「…奏多…」

そう呟いても…返事はない
当たり前だよな…

「俺は本当…ダメな奴だな…最後の最後まで…あいつを笑顔にしてやれなかった…」

笑顔にするどころか
泣かせてしまった…傷つけてしまった

あいつは過去にたくさん傷つけられているはずなのに…

その心にまた…新たに傷を増やしてしまったんだ…この俺が…

「…あいつ…死んだりしねぇよな…」

あの時みたいに、飛び降りたりしないだろうか
首吊ったりしてないだろうか

不安で不安で…

これを導いたのも全部俺で…
自ら別れを告げたのに

俺は奏多に会いたい
そう思っていた