「もう一度言う。もうここには来るな」

「っ!?嫌だ…!毎日来るって約束したから…!」

「…っ!もう来んなって言ってんだ…!分かったらさっさと帰れ…」

「っ!どうしてそんな事言うの…?僕の知ってる玲央はそんな事言わない!!!」

「…あぁ、そうか。だったら俺が変わったんだな。もうお前には会いたくない。だからもうここには来るな」

「…っ!分かった…もういい…っ!もうここには2度と来ない…!さようなら…玲央…」

僕は玲央にそう告げ、病室から飛び出した

溢れそうになる涙を堪えながら
必死に走った


外は雨が降っていた
まるで今の僕みたいに

「…っく…!何で…玲央はあんな事を…!」

もうお前には会いたくない
確かに玲央はそう言った

やっぱい嫌われてしまったんだ
だから、僕と目を合わせてくれなかったんだ

それなら、もっと早く言ってくれれば
よかったのに…

玲央の笑顔を取り戻そうと
決めたばっかりだったのに

「…バカだな…僕…っ!」

もっと早く気づけばよかった
今までのお見舞いも…

もしかしてうざかったのだろうか
うっとおしかったのだろうか

思い始めたらきりがなくて…

「…玲央…っ!ごめんね…っ!」

そう呟いた僕の言葉は
雨によってかき消された…