あれからいろいろ考えたけど
答えは出なかった
そして僕は今、玲央のお見舞いに来ている
だけど…何も変わらない…
相変わらず窓の外を見ているだけ
「…玲央…いつも何を見てるの?」
「………」
やはり答えてくれなかった
僕はもう…玲央と話せないのだろうか…
このままずっと…
「…ねぇ…玲央?何も言わなくていいから聞いてほしい…」
「………」
「…ごめん…」
「…っ」
僕のその言葉に少しだけ玲央の顔が
こっちを向いた
「僕と一緒に生きてほしいなんて言っときながら…何もしてあげられない…ただここにいるだけしか出来ない…」
「…………」
「…玲央から…希望を奪ってしまった…」
「…っ?!」
玲央は窓から視線を外し
俯いてしまった
「…生きる希望って…何だよ…僕と一緒に生きよう?何だよそれ…所詮ただのきれい事だよね…玲央の言った通り…」
今、玲央はどんな顔をしているの?
何を思ってるの?
「楽しい事があるよなんて…無責任だったね…僕は…」
僕が玲央を苦しめてしまった
全ては僕のせい…
「もう僕の事…嫌いになっちゃったかな?」
「………」
玲央は何も言わなかった
だけど、震えていた
「玲央が笑わなくなって…僕と話してくれなくなって…僕と目を合わせてくれなくなって…すごく悲しいし寂しいけど…でもまたいつか笑ってくれるって信じてるから…それまで我慢するよ…」
「…………」
玲央は俯いていた顔をあげ
また窓の外へと視線を移した
やっぱり…僕と目を合わせてくれなかった…
「…じゃあね、玲央…また来るから…」
僕は溢れそうになる涙を
必死に堪えながら病室を後にした