しばらく僕たちは黙り込んでしまった
そんな沈黙を破ったのは僕だった

「…颯人も…体調には気をつけるんだよ?」

「はい。分かりました…」

「颯人は…希望を失っちゃダメだよ?頑張ってね」

「はい!」

僕のその言葉に颯人は明るく答えた

颯人もいつかはいなくなってしまうのだろうか
玲央みたいに…

希望を失ってしまう日が来るのだろうか…
もしかしたら颯人は

希望すら持っていないのかもしれない
もしそうだとすると僕が無理やり押し付けちゃったかな…

何だか申し訳ない気持ちでいっぱいになった

病気でも何でもない僕が
偉そうに…何言ってるんだろ…

「じゃあ…帰るね」

「気をつけて!」

颯人のその言葉に心で頷きながら
僕は颯人の病室を後にした