「玲央さんは…大丈夫なんですか?」

颯人も心配なんだよね…
僕も心配だよ…

「…全然…大丈夫じゃないよ…」

「…やっぱり…」

颯人は寂しそうな顔をして
俯いてしまった

「玲央の希望は…失われてしまった…」

「………」

「やっと…希望が持ててきた所だったのに…これからだったのに…!それなのに玲央は…!」

「奏多さん…」

確かに玲央は言った
希望を失ったと…

その日から玲央は
笑わなくなった、喋ってくれなくなった

ご飯も食べなくなった
僕の目を見なくなった…

今の玲央の表情に
前までの玲央はいない

まるで生きた屍のような…
そんな顔をしている

「颯人…僕どうすればいいかな…側にいるのに…何もしてあげられない…!こんな自分が憎い…!!」

「奏多さん…」

悔しかった…何も出来ない無力な自分が
でも、いくら悔やんだって状況は変わらない

「玲央…変わっちゃったんだ…笑わなくなったし、ご飯も食べないし、僕と話してくれないし…僕と目を合わせようともしないんだ…」

「…っ!」

「ただ毎日…病院のベッドの上から窓の外を見ているだけ…」

「玲央さん…変わっちゃったんですね…しばらく見ないうちに…そんなに変わっちゃったんですね…」

どうすればまた玲央は笑ってくれるのだろう
僕と話してくれるのだろう

僕と目を合わせてくれるのだろう…