俺の足は自然と屋上に向かっていた
死ぬわけじゃない

ただ…空が見たかった

ガチャ

屋上のドアを開けると
そこには…

「あ、玲央さん…」

「颯人…」

颯人がいた
久しぶりに見る颯人は前よりも痩せていた

「久しぶりだな…」

「お久しぶりです…玲央さん…痩せましたね…」

「お前もな」

こんな会話もあと少ししか出来ない…
そう思うと胸が苦しくなった

「颯人…俺…あと半年らしい」

「え…?」

「余命宣告されちまった…」

「そ、そんな…!!半年だなんて…」

颯人は信じられないという顔をしていた
俺だって信じたくねぇよ…

「お前とこーして話出来るのも…残りわずかだ…」

「…そんな悲しい事…言わないで下さいよ…」

「だけど事実だからさ…」

「…っ!」

「ごめんな…颯人…約束守れなくて…お前を笑顔にするって決めたのに、守ってやれそうにない…」

「そんな事…!気にしなくていいんですよ…!玲央さんは自分の体をもっと大切にするべきです!」

自分の体を大切に…か
大切にしたところで意味なんかないだろ

どーせ死ぬんだから…

こんな事言ったら
奏多…怒るかな…

「…颯人…お前も頑張れよ」

「はい…ありがとうございます。玲央さんも頑張って下さいね」

「おう…」

そう告げ俺は屋上を後にした