だいぶ落ち着きを取り戻した俺は
颯人と別れ、奏多の元へ向かっていた

奏多はどんな反応をするだろうか
きっと泣くに違いない…


「…奏多」

「っ?!玲央!大丈夫…?」

「奏多…俺…お前に言わなきゃならねぇ事がある」

「…うん…」

奏多は、泣きそうでどこか悲しげな顔を
しながら俺を見ていた

「…奏多…ごめん…俺…再発した…」

「…っ!」

俺がそう告げたその瞬間
奏多の目から涙が溢れた

「…玲央っ…!」

「…ごめんな…奏多…お前の笑顔守ってやれなくて…」

「そんな事、気にしなくていいよ…!」

「…やっと…生きる希望が見えてきたのにな…これからだったのに…まだ俺…自分の人生に満足してねぇよ…なのに何で…!」

なぜ再発なんてしたんだろう
なぜいきなり…しかもこのタイミングで

運がないのかな…俺
これでまた、俺は1つ希望を失った…


この後また1つ…
希望を失うことになるなんて

この時の俺は思わなかった――――