先生がこの先言う事は多分よくない事
分かってる…けど…信じたくなかったんだ

少しでもいいから、希望を持ちたかった
もしかしたら、本当にただの風邪なのかもしれないと…

だけど、現実はそんなに甘くはなかった…

「玲央くん…よく聞いて」

聞きたくない…
その先は聞きたくない…!

「玲央くん…信じたくないかもしれないが」

やめろ…!その先は言うな…!

「君の心臓は限界に近い…」

「…っ!」

まだ希望はある
弱ってきているからと言って

死ぬわけではないのだから
俺は必死に自分に言い聞かせた

「玲央くん…顔を上げて」

「…………」

「もう一度言う…よく聞いてほしい」

俺は何も言えなかった
ただ黙って先生の話を聞くだけしか

今の俺には出来なかった…

「…玲央くん…」

先生の顔が俯いた
だけどすぐ、顔を上げて

確かに先生は言った――――

先生のその言葉に俺はただ
泣くことしか出来なかった…