それは突然だった
俺の体に異変が出始めたのは

「ゴホッ!ゴホッ!」

「玲央、大丈夫?さっきから咳してばっかりだけど…」

奏多は心配そうな顔をして
俺を見ている

「大丈夫だよ、奏多」

俺は笑顔で返した
本当は分かっていた…

少しずつ自分の体に出始めていた異変に

「ゴホッ…ゴホッ!」

「ねぇ、本当に大丈夫なの?」

さすがに大丈夫じゃねぇよな…
だんだん咳は酷くなってきている

「奏多…俺今度病院に行ってくるよ…」

「…うん。そうした方がいい。ちゃんと見てもらった方がいいよ」

奏多は不安そうな顔をしていた

「そんな心配すんなって。きっとただの風邪だよ!」

「…だといいんだけど…」

「そんな顔すんなって。俺はお前を笑顔にすると決めたばっかなんだから。俺を信じて待ってろって!」

「…うん…分かった。玲央を信じるよ」

奏多はまだ心配そうな顔をしていたが
俺のことを信じてくれたようだ

多分奏多もうすでに気づいているんだと思う
俺の体の異変に…