「颯人〜!お見舞いに来たよ〜!」

「あ、どーも!こんにちわ!わざわざありがとうございます!」

笑顔でそう言う颯人につられて
俺も笑顔になった

颯人の左目には相変わらず包帯が巻かれていた
腕には点滴

元気そうに見えて、そうじゃないのだと思うと
胸が痛んだ

「俺、嬉しいです…お見舞いに来てくれるような人がいてくれて」

「…颯人…」

「お見舞いに来る人なんて、今まで1人もいなかったから…だから俺、すごく嬉しいんです!」

嬉しそうに言う颯人の顔は
いつも以上に笑顔だった

こいつには、ずっと笑っていてほしい
奏多と同じように

辛い過去を消し去るくらい
笑い続けてほしい

いつしか俺は、そう思うようになっていた