「じゃあね、玲央。また来年」

玲央の墓の前で手を合わせ
目をつぶった

そして僕は玲央の墓をあとにした


「奏多さん!」

ふと、僕を呼ぶ声が聞こえて振り返ると
墓参りに来たであろう3人がいた

「みんな…落ち着いた?」

「はい、おかげさまで!」

颯人は笑顔でそう言った
それにつられて新汰と光輝も微笑んでいた

「これから、玲央さんの墓参りに行ってこようと思います」

「うん、行ってあげて。きっと待ってるから」

よかったね、玲央
3人共、玲央の大好きな笑顔で笑ってるよ

「じゃあ、行ってきます!」

「いってらっしゃい!」

笑顔でそう言った3人につられて
僕も笑顔で送り出した

その後ろ姿はすごくたくましかった

「強くなったね、みんな…」

もう大丈夫だね、僕がいなくても
あとは、僕だけか…

「僕も早く前に進まないとね!」

そう意気込んで僕は歩き出した




はずだった…



「奏多さん!!危ない!!」



僕を呼ぶ声が聞こえて振り返った時には
もう遅かった…


キィィィィィ!!ドンッ!!


僕に迫ってきていたトラックに
僕は気づかなかった


そして、振り返った時にはもう


僕は跳ねられていた――――