「…僕はこれから玲央の所に行くから…みんなも落ち着いたら来てあげてね」

それだけ告げ
僕は病室をあとにした

そして、玲央のもとへと向かった


「寒いな…相変わらず…」

玲央は寒くないかな
ちゃんと、暖かくしてる?

風邪引いてない?

「元気で、笑ってくれてれば…それだけで十分だよ…」

玲央の顔はもう、写真の中でしか見れないけど
でも、空を見るたび思い浮かぶんだ

玲央の笑った顔が

「会えなくても心はそばにある…」

僕の心の中では
ちゃんと生きてるからね、玲央は


「着いた…」

やっとたどり着くことが出来た

「玲央…会いに来たよ…」

初めて来た、玲央のお墓参り
誰か来たのかな?

キレイに花がいけてあった
僕も、持ってきた花をいけた

「玲央…元気にしてる?」

僕は墓の前にしゃがんだ
周りには誰もいない

「…久しぶり?だね、玲央」

返事はないけど
僕の声は玲央に

届いてるかな?