ついにこの日がやって来た

そう今日は12月27日
玲央の命日だ

あれからもう、1年がたった
早かったな…


僕はお墓参りに行く前に
いつも通り病院に向かっていた

ガラッ

颯人の病室のドアを開けると
みんなが集まっていた

あれから、颯人はすっかり元気になっていた
柊羽と仲良くやっているらしい

「みんなそろって、何してるの?」

「奏多さん…」

そう僕の名前を呼ぶ颯人の顔は
すごく複雑そうだった

「何て顔してんのさ、颯人。それに新汰と光輝も」

「だって…今日は…」

新汰はそこまで言うとうつむいてしまった
光輝も、下を向いたまま顔をあげようとしない

「そうだよ。今日は玲央の…命日だよ」

僕のその言葉にみんな
黙ったまま

「…みんなそんな顔して…玲央が悲しむよ?玲央は、みんなの笑顔が見たいと思うよ?だから、そんな顔しないで…」

僕だって本当は、泣きそうだ
だけど、玲央が僕の笑顔が見たいって
言ってる気がして

だから僕は、泣かないと決めた
今日は、特別な日だから