「っ?!」

颯人にそっくりな少年だった
これが、颯人の双子の兄…柊羽さんか…

「柊羽くん、どーしたんだい?」

「…颯人の様子が気になって…」

「颯人くんなら、大丈夫だよ。今ぐっすり眠ってる」

「…そうですか…よかった…」

柊羽さんは、安心したような
息を吐いた

本当、颯人にそっくりだな…
一目見ただけじゃ区別つかないよ

柊羽さんの右目には、眼帯がしてあった
やっぱり…見えないんだ…

「あぁ、そうだ。柊羽くん。この子が奏多くんだよ」

「あ、どーも。初めまして…!」

いきなり紹介され
僕は慌てて挨拶をした

「…初めまして、颯人の兄の柊羽です」

柊羽さんは、そう言うと
ニッコリと微笑んだ

笑った顔、颯人にそっくりだな…

「少し、お話がしたいんです。時間大丈夫ですか?」

「あ、はい。大丈夫です」

そして、僕たちは
病室を出て、屋上へと向かった


「…いきなりごめんなさい。でも…どうしても1度お話がしたくて…」

「全然大丈夫ですよ。気にしないで下さい」

僕のその言葉に
柊羽さんの顔が少し明るくなった

「それで、お話って?」

「お話というか…お礼を言いたくて…」

「…お礼…ですか?」

何のお礼なんだろ…
初めて会った僕に…一体何のお礼だろ

「…颯人のそばにいてくれて…ありがとうございます」

「…え?」

柊羽さんのいきなりの言葉に
僕は驚いた

「孤独だった颯人を救ってくれて…本当にありがとうございます…!」

そう言いながら頭を下げる柊羽さんに
僕は声をかけた

「頭をあげて下さい。柊羽さん」

僕のその言葉を聞いて
柊羽さんは頭をあげた

その顔には涙がうかんでいた…