「颯人くんが失明した原因は、産みの親にある。あの親達は本当に…憎んでも憎みきれないよ…」

先生が憎むほど
颯人の親はひどい人なんだ…

「妊娠中にもかかわらず、お酒を飲んだり煙草を吸ったりと、好き放題してたみたいでね…ろくに栄養が届いてなかったんだろう…」

「…それが…失明した原因ですか…?」

「あぁ…多分ね…」

許せない…
颯人にこんな思いさせて…

許せないよ…そんな親

「柊羽くんは、右目を…颯人くんは左目を失った」

「っ?!柊羽さんも…」

柊羽さんも、颯人と同じように
辛かったんだろうか…

2人が抱えてしまった過去は
重く、そして辛い過去だった

そんな過去を抱えて生きてきたんだと思うと
胸が締め付けられた…

「今日、颯人くんがこんな事になったのは、多分過去を思い出してしまった事が原因だろう。柊羽くんも、まさか颯人くんがこんな事になるとは思ってなかったんだろうね…」

「…柊羽さんは…どこに行ったんでしょうか…」

屋上で見つけた時も
颯人1人だった

柊羽さんは一体どこに?
帰ったのだろうか

「柊羽くんなら、いるよ。会ってみるかい?」

「え?僕がですか?」

確かに会ってみたい気持ちはあるけど…
会ってどーすればいいんだ?

話すことも思いつかないし…


ガラッ

僕がそんな事を考えていると
ふいにドアが開いた

そこにいたのは…