季節は春から夏へと移り変わり
俺の病気もだいぶ落ち着いてきた


「最近、玲央たくさん笑うようになったね!」

「そ、そうか?」

奏多の言葉に俺は首を傾げた
確かに、前よりも笑うようになったかもしれない

「僕、嬉しいよ。玲央がたくさん笑ってくれて」

「俺だって、奏多が笑ってくれて嬉しいよ」

俺がこうして笑えるようになったのは
きっと奏多のおかげ

「俺、希望が持てるようになったんだ」

「え?」

俺のその言葉に奏多は驚いていた
そして、奏多はいつもの笑顔で笑っていた

「玲央、僕嬉しいよ!」

「ん?何で?」

「だってさ!あれだけ生きる希望を失っていた玲央が、やっと生きる希望を持ってくれたんだよ?!嬉しいに決まってるじゃん!」

そう俺に言う奏多はいつも以上に笑顔で
俺もつられて笑顔になった