いろいろ探し回ったが
颯人は見つからなかった

あと、探してないところと言えば

「屋上…」

お願い…颯人…屋上にいて
そう願い僕は、屋上のドアを開けた

ガチャ

「っ?!颯人!」

屋上のフェンスにもたれかかっている
颯人に僕は駆け寄った

颯人の顔色はかなり悪い

「…颯人!一体何があったの…!」

「…奏多さん…俺…」

そこまで言うと
颯人は倒れてしまった

「颯人!しっかりして!颯人!!」

僕は颯人を起こし
急いで先生のもとへと向かった


「…颯人…大丈夫なんですか?」

颯人はぐっすり眠っている
その颯人の寝顔を見ながら僕は先生にたずねた

「…多分、何かのショックでパニックに陥ってしまったんだと思う」

「パニック?」

「お兄さんに会って、多分いろいろ話をしたんだろう。その話を聞いて多分ショックを受け、パニックを起こしたんだと思う」

ショックを受けるほど…何を話したんだろ
お兄さんは、何を思って会いに来たんだ

「颯人くんのお兄さんは、悪い人じゃないんだ。むしろその逆でね。とても心優しい子なんだよ」

「…そーなんですか…」

だったら尚更…
なぜ、今まで颯人に会いに来なかったんだ?

「颯人くんのお兄さん、柊羽くんは颯人くんと双子でね。生まれてすぐ離れ離れになってしまったんだ」

「そ、そんな…何で…」

生まれてすぐ離れ離れなんて…
父親や母親は何を思ってそんな事を…

「柊羽くんと颯人くんの父親と母親はひどい人でね…産んですぐ2人を捨てたのさ」

「っ?!す…捨てた…?」

しかも産んですぐ?
信じられない…自分の子どもなのに…

「2人は…望まれない子どもだったんだよ…」

「っ?!」

そんな事って…
僕は父親と母親に対して怒りが爆発しそうだった

「…颯人くんの左目の事を知ってるね?」

「はい…中1の時に失ったんですよね?」

初めて会ったときに
そう言ってた気がする

「それがね、違うんだ…生まれた時から颯人くんの左目は見えないんだよ…」

「え…?」

先生の言葉に僕は目を見開いた
そして先生はこう言った…