「玲央、ずっと入院してたから…友達がいなかったの。病気のせいで学校にも通えないし…奏多くんと出会う前の玲央は、生きる事を諦めてた」

僕と初めて出会った時も
生きる希望なんてないって言ってた

「だけど、奏多くんと出会ってから玲央変わったの。見違えるほど変わったの」

「…そーなんですか?」

「うん。あんなに生きるのを諦めてた玲央が、もう一回ちゃんと生きたいって言い出した時はびっくりしたよ」

「玲央…」

僕の知らない所でも、玲央は玲央なりに
頑張ってたんだね…

「笑顔を忘れてた玲央を…笑顔にしてくれたのは奏多くんだと思うの。他の誰でもない、あなたなの」

「…っ!僕が…?」

「そう。あなたが…!奏多くんが玲央に笑顔を…そして生きる希望を教えてくれた…!」

「…っ…!」

僕が勝手に思い込んでたんだ…
自分は何もしてあげられない、無力な奴だと…

でも違った…
僕は玲央にとっての、光だったんだ

やっと気づいたよ…玲央

「だから、お礼を言おうと思って…」

「そんな…お礼だなんて…」

僕はただ、当たり前の事をしただけ
そんなお礼を言われるような事は

何もしてない