そして僕は今日も
病院へと来ていた

「相変わらず元気そうだね、3人共」

今日は珍しく新汰の病室に
3人がそろっていた

「つか、暑そうっすね…外は」

「暑かったよ…ここまで来るのに何度倒れそうになった事か…」

早いものでもう春がすぎ
そして夏がやってきた

去年の夏に比べて
今年の夏は猛暑らしい

「熱中症患者が毎日のように運び込まれてますよ」

颯人が呆れたように言った
熱中症って辛いらしいけど…

「3人は、大丈夫なの?熱中症」

「俺たちはずっと、病室にいますからね。その心配はないと思います。だけど、奏多さんや光輝は気をつけた方がいいですよ」

新汰が少し心配そうに言った

「分かった、気をつけるよ」

「熱中症対策しないとですね、奏多さん」

「確かに…運び込まれてきたら新汰に怒られちゃうからね」

「ちょ、ちょっと!何で俺が怒るんですか!」

「新汰は、心配症だからな…」

「それはお前もだろ!颯人!」

そんな2人の会話を聞きながら
僕は笑った

いつまでもこんな日々が続けばいいな
そんな事を思いながら


だけど、僕のその思いが叶うことは
なかった

この日々を自らの手で壊してしまう日が
来るなんて

この時の僕は知らなかった――――