「僕、玲央の病気の事…全然知らなかった…」

ふと奏多が悲しげな顔をする
その顔にさっきまでの笑顔はない

「僕が知らない所で玲央は…たくさん苦しんできたんだね…」

「奏多…」

まるで自分を責めるようなそんな顔

「もっと早く…話を聞いてあげればよかったね…僕、あんな事言ったくせに…結局何も出来てない…」

「奏多、もうそれ以上自分を責めるな」

「…え?」

俺の言葉に奏多は顔を上げた
そして俺は奏多の目を見て言った

「俺の病気は誰のせいでもない。だからお前が自分を責める必要はないんだよ」

「玲央…」

俺のその言葉で奏多の顔に笑顔が戻った
だけど…どこか寂しそうな目をしていた

「俺は奏多に感謝してるんだから。もう泣くなよ」

「…分かった。玲央のために笑う」

そう言った奏多の顔はいつもの笑顔だった

「この先、俺の病気がどうなるか分かんねぇけど、でも俺は諦めねぇから。生きる事を」

「うん!」

その後俺達は、時間を忘れるほど笑い合った