「あの2人には…いつまでも笑い続けてほしいんです」

「それは颯人もでしょ?颯人にも笑い続けてほしいよ、僕は。玲央だってそう思ってるよ!」

「俺は笑ってますよ、ちゃんと。これからも笑い続けるつもりです」

本当に颯人は笑ってるの?
やっぱり、どこか無理してるんじゃ…?

「俺…今すげぇ幸せなんです。それと同時に寂しい…」

「寂しい…?」

「…この幸せがいつか…終わってしまうんじゃないかって…そんな事ばかり最近考えてしまって…」

だからか…
だから最近、寂しそうな目をしてたんだ

「颯人、大丈夫だよ。続くよ、きっと」

「奏多さんは…いなくなったりしませんよね?」

「っ!」

僕を見つめるすごく悲しい目に
僕は思わず目をそらしてしまった

「…奏多さん…」

「大丈夫だよ、颯人。僕はいなくなったりしない。ここにいるから」

「…その言葉が聞けただけで、俺は満足です」

さっきまでの悲しい目は
いつの間にかいつもの優しい目へと変わっていた

颯人も僕と同じで
誰かを失うのが怖いんだね…

1人になるのが…
颯人は怖いんだね


「大丈夫…もう1人にしないから…」

僕は颯人に誓った
その時の颯人の顔は

すごく幸せそうだった