「颯人…大丈夫?」

「はい…だいぶ落ち着きました」

落ち着きを取り戻した颯人は
いつもの颯人だった

「颯人…もう1人で抱え込んだらダメだよ?何かあったら僕に言って?いつでも助けてあげるから」

「ありがとうございます…!俺、奏多さんに出会えてよかったです」

「僕も、颯人に出会えてよかったよ」

僕の言葉に颯人は優しく微笑んだ
それにつられて僕も笑った


「今まで俺…ずっと1人だって思ってました」

「え…?」

颯人の言葉に僕は驚いた
そして、颯人は話し出した

「俺には家族も友達もいないって…奏多さん達と初めて出会った時言ったの覚えてますか?」

「うん…覚えてるよ」

あの時の颯人のすごく寂しいそうな顔を
よく覚えてる

「俺…玲央さんや奏多さんに出会って…救われたんです…それまでずっと1人だったから…」

「颯人…」

「その時初めて…1人じゃないって思えたんです…でも俺…奏多さんや玲央さんがいなかったら…1人なんですよ…」

「…そんな事…ないよ…新汰や光輝がいるじゃん…」

僕たちがいなくなっても
2人がいる

それなのにどうして颯人は…

「あの2人には、2人だけで笑っててほしいんです…その間に俺はいらない」

「そ、そんな…!颯人何言ってるの?!」

そんなさみしい事言わないでよ…
何でそんな…

悲しいこと言うの?