季節はあっという間に過ぎ
あの寒かった冬が終わり

季節は春へと移り変わった


今日は、4月20日
僕と玲央が初めて会った日

僕は、玲央と出会った
屋上に来ていた


「ここで玲央と出会ったんだよね…去年の今日…」

玲央、元気にしてますか?
僕は少しずつ前に進んでます

颯人も新汰も光輝も
みんな、元気にやってるよ

「今日の空は、いつもよりキレイだな…」

玲央が笑ってるからかな?
最近、雨も降らなくなったし

玲央が元気な証拠だね、きっと

「…玲央、もう玲央と出会って1年がたったよ」

初めて見た玲央の顔は
今にも死んでしまいそうだった

「飛び降りようとしてたもんね…」

たまたま僕は、ここの病院に来てて
帰ろうとした時

「屋上から飛び降りようとしてた…1人の少年を見つけちゃったんだ…」

それが玲央だった
止めなきゃって思って、全速力で屋上に向かって、必死に駆け上がったのを覚えてるよ

「あの時、玲央は言ったよね?楽しい事なんて何一つなかった、これからも楽しい事なんてないって…所詮きれい事だって」

今にも泣きそうな顔で
君は僕に訴えたよね?

「でも…玲央楽しそうだったよ?きれい事なんかじゃなかったでしょ?」

生きてれば嫌なこともたくさんあるし
いい事だって、たくさんある

「僕は、玲央に出会って…いい事だらけだったよ…ありがとう…玲央」

僕は空に向かって呟いた
その時少しだけ、玲央の笑った顔が

見えた気がした