あの日、奏多に出会って
俺は変わった

そして俺は、奏多に病気の事を話した

「俺、生まれつき心臓が弱くてさ…幼い頃からずっと入院してたんだ」

「そーだったんだ…」

奏多は俺の話を真剣に聞いてくれた

「俺の病気は治らない…そして俺はもう長くないんだ…そう長くは生きられない」

「…っ!」

「長くて20歳、短くてあと1年らしい」

「そ、そんな…!」

俺の言葉に奏多は目を見開いた

「俺の心臓はいつ止まるか分からない。止まってしまったらその時はもう…」

「っ?!」

「俺は…この世にいないかもな」

「…玲央…」

自分で言っときながら、心が痛んだ
胸が苦しくなるような…そんな感覚…

「大丈夫。玲央は強いから」

「え?」

奏多はいつか見た強く真剣な目で俺を見た

「玲央は、死なない。そんなすぐ死ぬほど玲央は弱くないから。」

「奏多…」

俺の不安は奏多のその言葉によって
消えていた

奏多はいつも、俺を助けてくれる
お前のその言葉1つ1つに俺がどれだけ救われてきたか…

お前は分かってねぇんだろな

「奏多、ありがとな…俺、頑張って生きるよ。命がつきるまで」

俺のその言葉に奏多は笑顔で頷いた