すっと葉好木がなにかを思い出したように立った。
「そろそろ行くのか?」
「ううん、ちょっと待ってて。」
そう言って、引き出しをガサガサとひっくり返す葉好木。
あーあー、これ掃除するの真菜ちゃんなんだろうな。
「これ、剣がくれたやつ。」
そういってキーホルダーを見せてくる。
「大事にとっておいてあるんだ~♪」
「今めっちゃ汚い机の中に入ってたよな?」
「剣はなにもみていませーん。」
こいつ、大事にとっておいてあるとか嘘じゃねえか。
ていうかこのキーホルダー
なんだ?
あげた覚えも見た記憶もない。
「葉好木、僕これ、見たことない。」
その言葉に葉好木は過敏に反応した。
「ま、まあ、剣がくれたんだよ!」
「そうなのか。」
少し怪しいけど、深追いはしないでおこう。
なぜか、これを追求したらよくない気がするから。
部屋を見渡す。
漫画とか、ゲームとかテレビ、パソコンがある。
ん?
葉好木はすごく頭がいい。
なのに勉強道具が何一つない。
どうしてだ?
「なあ、葉好木…」
僕がそのことを聞こうとしたとき
葉好木が後ろから抱きついてきた。
抱きついてきた!
「え!?葉好木、おまえどうした!?
さっきから膝座ったり、テンション高かったりおかしいぞ!?」
「それ、返してー♪」
えへへと笑いながらキーホルダーを取ろうとしてくる。
わざわざ後ろから取ることないじゃんか。
「なあ、葉好木、なんで勉強道具ないんだ?
おまえ、すごく頭いいじゃん?」
「勉強してないもん。」
「は?」
「強いて言うならテスト期間の休みの日も学校行って勉強してるかな。
…嘘。
勉強しようとは思ってるけど学校行って友達に会って遊んじゃう。」
「なのになんであんなに成績いいんだ?」
「普通に授業受けてればあれくらいとれるよ。」
「優等生が言うセリフだな。」
「葉好木優等生だよ。」
「それは違うな。
そろそろ行くか?」
「そうだね。」
僕は残り20kmちょっと歩かなくてはいけない。
まったく…この山どれだけ広いんだ。
「剣、そういえばさ
はっち好きな人できたらしいよ。」
「へー。」
「興味ゼロだね。」
「ああ、なんでもいい。
ていうかそういうこと僕に言っていいのか?」
「はっちだから大丈夫だよ。」
「適当だな。
まあ、僕興味ないし大丈夫だけどさ。」
「相手は…」
「どうせ年上だろ。」
「うん。」
はっちは年上好きだ。
子供扱いされるのが好きなんだ。
って前に勝手に聞いてもいないのに話してきた。
あと、ダンディーな人が好みだそうだ。
舘ひ○しみたいな。
どんな好みだよ。
もっと女子高生らしくすればいいのに。
いや、舘ひ○しが悪いんじゃないよ。
舘ひ○しはすごくいい男だし、僕は結構好きだ。
ただ、女子高生の趣味ではないだろう。
「詳しいことははっちに聞けば分かるよ。」
「聞きたくないな。」
そのときlineが。
嫌な予感しかしない。
発地火鈴
ぞわっとした。
一応、中を見ておこう…。
『あのさ!好きな人できたの!
その人ね、割と細身で身長が…』
閉じた。
「ん?誰から?」
「いや、ライン占いだ。
人間ではない。」
僕はそのlineをなかったことにした。
その後も話をしながら歩き続け、夕方になった。
「そろそろ帰るかな。
42km、歩いただろう。」
「そうだね。
駅まで送るよ。」
「おう、ありがとう。」
駅まで歩く。
今日はすごく歩くな。
「剣。」
「ん?」
「葉好木、剣のことすきー。」
今日はほんとにどうしたんだろうか。
「ん、ありがとう。」
「うん。」
人はそんなに簡単に人を好きになれるのか。
恋心を抱くという意味で。
月夜も葉好木も、はっちも。
僕にはよくわからない。
恋って、好きって、なに?
昔は分かってた気がする。
でも、今はわからない。
どうして恋が、こんなに辛い結果を産むのかも。
駅に着き、葉好木と別れ電車に乗る。
そして、また1時間以上の長い電車の中。
僕はそのことばかり考えていた。
「そろそろ行くのか?」
「ううん、ちょっと待ってて。」
そう言って、引き出しをガサガサとひっくり返す葉好木。
あーあー、これ掃除するの真菜ちゃんなんだろうな。
「これ、剣がくれたやつ。」
そういってキーホルダーを見せてくる。
「大事にとっておいてあるんだ~♪」
「今めっちゃ汚い机の中に入ってたよな?」
「剣はなにもみていませーん。」
こいつ、大事にとっておいてあるとか嘘じゃねえか。
ていうかこのキーホルダー
なんだ?
あげた覚えも見た記憶もない。
「葉好木、僕これ、見たことない。」
その言葉に葉好木は過敏に反応した。
「ま、まあ、剣がくれたんだよ!」
「そうなのか。」
少し怪しいけど、深追いはしないでおこう。
なぜか、これを追求したらよくない気がするから。
部屋を見渡す。
漫画とか、ゲームとかテレビ、パソコンがある。
ん?
葉好木はすごく頭がいい。
なのに勉強道具が何一つない。
どうしてだ?
「なあ、葉好木…」
僕がそのことを聞こうとしたとき
葉好木が後ろから抱きついてきた。
抱きついてきた!
「え!?葉好木、おまえどうした!?
さっきから膝座ったり、テンション高かったりおかしいぞ!?」
「それ、返してー♪」
えへへと笑いながらキーホルダーを取ろうとしてくる。
わざわざ後ろから取ることないじゃんか。
「なあ、葉好木、なんで勉強道具ないんだ?
おまえ、すごく頭いいじゃん?」
「勉強してないもん。」
「は?」
「強いて言うならテスト期間の休みの日も学校行って勉強してるかな。
…嘘。
勉強しようとは思ってるけど学校行って友達に会って遊んじゃう。」
「なのになんであんなに成績いいんだ?」
「普通に授業受けてればあれくらいとれるよ。」
「優等生が言うセリフだな。」
「葉好木優等生だよ。」
「それは違うな。
そろそろ行くか?」
「そうだね。」
僕は残り20kmちょっと歩かなくてはいけない。
まったく…この山どれだけ広いんだ。
「剣、そういえばさ
はっち好きな人できたらしいよ。」
「へー。」
「興味ゼロだね。」
「ああ、なんでもいい。
ていうかそういうこと僕に言っていいのか?」
「はっちだから大丈夫だよ。」
「適当だな。
まあ、僕興味ないし大丈夫だけどさ。」
「相手は…」
「どうせ年上だろ。」
「うん。」
はっちは年上好きだ。
子供扱いされるのが好きなんだ。
って前に勝手に聞いてもいないのに話してきた。
あと、ダンディーな人が好みだそうだ。
舘ひ○しみたいな。
どんな好みだよ。
もっと女子高生らしくすればいいのに。
いや、舘ひ○しが悪いんじゃないよ。
舘ひ○しはすごくいい男だし、僕は結構好きだ。
ただ、女子高生の趣味ではないだろう。
「詳しいことははっちに聞けば分かるよ。」
「聞きたくないな。」
そのときlineが。
嫌な予感しかしない。
発地火鈴
ぞわっとした。
一応、中を見ておこう…。
『あのさ!好きな人できたの!
その人ね、割と細身で身長が…』
閉じた。
「ん?誰から?」
「いや、ライン占いだ。
人間ではない。」
僕はそのlineをなかったことにした。
その後も話をしながら歩き続け、夕方になった。
「そろそろ帰るかな。
42km、歩いただろう。」
「そうだね。
駅まで送るよ。」
「おう、ありがとう。」
駅まで歩く。
今日はすごく歩くな。
「剣。」
「ん?」
「葉好木、剣のことすきー。」
今日はほんとにどうしたんだろうか。
「ん、ありがとう。」
「うん。」
人はそんなに簡単に人を好きになれるのか。
恋心を抱くという意味で。
月夜も葉好木も、はっちも。
僕にはよくわからない。
恋って、好きって、なに?
昔は分かってた気がする。
でも、今はわからない。
どうして恋が、こんなに辛い結果を産むのかも。
駅に着き、葉好木と別れ電車に乗る。
そして、また1時間以上の長い電車の中。
僕はそのことばかり考えていた。