もうすぐ三学期が終わる。

まあ、高校一年生が終わるということだ。

長いようで短かったな。

それより僕はこの一年



何をしていたっけ?



すごい何もしていなかったんだろう。

上北がウルトラかわいかったのしか覚えてない。

あと、はっちがうるさかったのくらいか。

一番の事件は最近の月夜事件だけどな。

ちなみに上北、葉好木、僕は理系、はっちは文系なので火鈴と同じクラスになることはない。

よかったよかった。

来年…上北と同じクラスにならないかな…。

月夜とは付き合ってから何回かデート(?)をしている。

そのたびにプリを撮るのだが、それって意味があるのか?

しかも1日に二枚も三枚も。

うーん、女子って難しいな。

あれからずっと葉好木は拗ねてるし。

よくわからん。

ちなみに今日は日曜日。

月夜とは遊ばず、葉好木とも遊ばず。

息抜きにはっちと上北、それと他の友達と一緒にカラオケである。

上北の歌声聞いたら天に昇るかもしれん。

待ち合わせ場所に行く僕。

すると、もう上北がいる。

あ、これなんかデジャヴ。

「よう、上北。」

「あ、おはよぉ~。剣~。」

僕は幸せ、幸運。

あぁ~、ついてるなぁ。

「おはよ!剣!」

はっちもいやがった!

くそっ!こいつ!僕と上北の時間を奪いやがって!

こいつのせいでプラマイゼロじゃねえかこんちくしょう!

「あ、あぁ…おはよう…。」

「何落ち込んでんの?剣。」

「今日は葉好木がいないからだよ~。」

うん、違います上北さん。

「落ち込んでない落ち込んでない。

ところで上北。

もしかして今日も早くきたのか?」

「ううん~。

今日はね、はっちと10分前くらいにきたのよ~。」

「そうか、ならよかった。」

「うん~。

あの時からあんまり経ってないのに約束もう叶っちゃったね~。」

「え、あの時ってなに!?

約束って!?」

そういえばはっちはいなかったな。

「二、三週間くらい前に一緒にボウリング行ったんだよ。

それで、また一緒に遊ぼうって話したんだよ。」

「えー!はっち呼ばれてないっすよ!」

「呼んでないからな。」

「ごめんね~。」

「うぅ~。」

その他メンバーも揃い、カラオケへ向かう。

カラオケではやはり上北の天使の歌声に僕はメロメロだった。

はっちの爆音は不快であった。

僕は…歌はあんまり得意じゃないんだ。

カラオケから出るとはっちが

「今日の記念にみんなでプリ撮ろうよ!」

一斉に湧き上がり賛同する一同。

プリというのはこういう使い方も有りなのか。

勉強になった。

そして、記念のプリを撮った♪

ん?なんで♪かって?

そりゃ、上北が写ってるからに決まってるだろ!

やばい…笑顔が天使。

※2上北には彼氏がいます。

帰り道上北が耳元でこそっと、

「次の約束、しよ?」

うん、かわいい。

「次って?」

「前回みたいに、また次があるように。」

「ああ、またきっと遊ぼうな。」

「うん!」

また次があるとは幸せだ。

このときなんで上北が僕だけにこそっとこの約束をしたのか疑問に思わなかったのか。

このときから上北は悩みを抱えていたことに僕はなんで気づかなかったのか。

もっと言えば

あんなに元気なはっちも悩みを抱えていたことに僕は気づいていなかった。

もちろんそれが僕の人生をさらにねじ曲げるとも知るはずがなかった。

みんなと別れ家に帰る。

あと2日で終業式だ。

携帯にはlineが入っていた。

東原月夜

『終業式の日の午後、デートね!』

『わかった』

返事が素っ気ないとよく言われる。

『あと、春休みうちに来ない?』

女子の家。

女子の家?

女子の家!?

なんだ!?結婚するのか!?

さすがに早すぎやしないか!?

『結婚するのか?』

聞いてみた。

『しないよ!

遊びに来ないか聞いてるんだよ!』

あ、そういうこと。

『行く』

遊びに行くにしても緊張するな。

また別のlineが入っていた。

野中葉好木

『春休み、遊びにきて』

ん?どういうことだ?

『どういうこと?』

『うちのほうに』

なるほど。

確かに僕はあいつんちのほうに行ったことがない。

逆に葉好木もうちのほうにきたことがない。

『わかった』

なんか春休みの予定がどっと増えたな。

嬉しい限りだ。

上北とも約束したし、今までの僕だったらこんなに女の子と遊ぶことなかったぞ。